考えて生きるということ

20代のサラリーマンが人生に悩んでいます

人間はITを発明し、自分たちが管理されるようになった

世界人口の推移って、見たことあるでしょうか。

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人類が誕生してから1950年代までの総人口数は今の人口と比較すれば微々たるものだということがわかります。

人口の増加とは、世界の豊かさを表すものであり、間違いなく世界は豊かになっているんです。

しかし、今のような豊かさと繁栄は、これまで人間が味わったことのない領域であることを、我々は感じながら生きていかなければなりません

 

このグラフでは人口増加のターニングポイントについて記載がありませんが、1950年を境に世界での人口が増加しています。

 

要因は2つあります。

①1950年代以降に世界の工業化が進んでいった。

第二次世界大戦以後、長期的に世界を巻き込む戦争が起こっていない。

 

①の工業化の発展については、いくつか議論の余地があります。

工業化の発展とはいうものの、鉄道や一部繊維企業などはすでに1800年代より導入されています。

世界初の鉄道は、1804年にイギリスで発明・開業された蒸気機関車になります。

いわゆるインフラの産業を中心として、機械が1800年代に生まれ、そして1900年台に本格的普及していったという歴史があります。

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世界の生産工場で、機械を使用した生産が行われ始めたのも、ヨーロッパの産業革命以後、1800年代中盤から1900年台にかけてであり、先程のグラフの急激な増加が見られた1950年という数字とは乖離があるわけです。

これは、一部の大型生産工場のみで導入されていた機械による高効率化メソッドが企業だけでなく、家庭に進出してきたというタイミングを意味しています。

Day 120

効率化された生活

1950年台以降、一般家庭向けの生活効率化アイテムが世界中で爆発的に普及します。

冷蔵庫・洗濯機・掃除機・車などなど。

Threesome

これらの生活家電は人々に生活に潤いとゆとりを与え、人口増加に大きく寄与しました。

人間は1950年代を境に、これまで生きるために払ってきた労働のコストを大きく下げることに成功したのです。

余った時間は労働や教育に充てられ、その結果として科学や電子技術を中心として、著しい発展を遂げてきました。

つまり、20世紀前半までは「企業(製造業)に対する機械化の時代」だったのが、1950年代を境に、「家庭に対する機械化の時代」に突入したのです。 

IT技術の発展により、管理社会をもたらした21世紀

そして21世紀になるとIT技術が普及し始めます。

厳密には、コンピュータ技術は1980年代ごろより、製造業やインフラ企業では導入されていたシステムですが、一般にまで本格的に普及していったのはちょうど2000年頃からです。

Computer

紀元前は、文明が発展・普及していくまでに何百年という時間がかかりました。

そして、ヨーロッパの産業革命も完成し、普及していくまでに100年の時間を要したのに、今は最先端技術が普及するまでに20年しかかからないのです。

まず、それだけでも恐ろしいことですね。

 

そしてこのIT技術の発展は、人々に新しい2つのコスト効率化をもたらします。

①情報入手するためのコストと時間を効率化し、情報という価値を増大化させた。

安価に「管理」する方法を人々に与えた

 

①はインフラとしてのIT技術の進歩のポジティブな側面です。

人々に情報入手の効率化を促し、労働だけでなく教育や日常のコミュニケーション全てを効率化させて人々の生活を豊かなものに変えました。

これは、人々に「距離」という概念を限りなく小さなものへと変えました。

 

しかし、②の安価に管理する方法が、人々に悪影響を与えます。

これまで、人々の生産性を図るときは、作業をする人とそれを管理・監督する人の2人が必要でした。

そもそも、人やモノを管理するということに相応のコストを払っていたし、特に人の労働生産性に関しては一部の製造業を除いて良し悪しの管理は、監督者の主観に基づくものでした。

この点に長けていたのが日本のトヨタ自動車を始めとした製造業で、トヨタ自動車が世界に誇る高品質・低価格のキモは、徹底した管理だったわけです。

ムリ・ムダ・ムラをなくし、標準作業を遵守させて管理するシステムを作ったことで、結果として1990年代までは他の類を見ないほど高効率化された大企業でした。

 

しかし、21世紀の今は、僕らのちょっとした食生活すらスマホが管理してくれるような世界です。

これまで「食を記録する」「運動を記録する」といった日常的な行動を始め、「サービス業のような労働性を管理する」といったことは、それ相応のコストを支払って行ってきたものでした。

今はその管理するためのコストは、IT技術を基準として恐ろしいほどに下がっているんです。 

人が完全に機械のようになる

21世紀に入り、情報収集のためのコストが大きく下がったことから、労働環境において人々の行動を管理するという方法が広まり始めます。

例えば、日本の精密機器販売を行うキーエンスという会社は、従業員の1日の行動を分単位で管理していることで有名です。

これはスマホなどの普及により、分単位で管理する事ができるほどに情報入手のコストが下がったからこそなせるワザとも言えます。

同社は高効率化企業として、平均収入が国内企業の中でNo.1であることでも有名です。

 

つまり、2000年以後の企業は、人を管理して、人の行動のムダを無くして働いていくことで企業は収益性はまだまだ上げられるということに気付きつつあるのです。

これは、 良い側面がある反面、人間らしい働き方を労働の現場から遠ざけることにもつながっています。

キーエンスは給料が良い反面、厳しい労働環境から離職率が高いことでも有名です。

つまり、管理と働きやすさとは本来は反比例する関係になります。

 

今のままでは、「労働者はとにかく高効率で1秒も喋ることなく、機械のように働き続ける事が理想である。」と、そんな世の中になってしまいがちだと言えます。

まるで企業はロボットを求めているようですね。

Robot

Googleに見るIT技術との向き合い方

一方で最先端企業として有名なGoogleはIT技術との向き合い方が違います。

あくまで、IT技術は「労働者が働きやすいように活用されるべきもの」として定義しています。

Skypeなどが発達したからこそ、在宅勤務で良いじゃないか。無駄な連絡方法に時間とコストをかけるぐらいなら、チャットウォークやGoogleハングアウトのような連絡方法で良いじゃないか。

 

このように最先端のシステムを利用して、人がより生産的に、能動的に働くことができるようにIT技術を活用しています。

Googleは従業員個々人が解決したい課題を発見し、自らプロジェクトを推進していく事を推奨しています。

そのため、日本のように誰でもできるような仕事に対して高いコストは払わないし、やって意味がないと思うようなことには、誰も手を出さないのです。

そもそも個々人がプロジェクトマネージャーなのです。

これが本来IT化することで生じるメリットであり、これからの目標とすべき働き方です。

今自分がしている仕事が「誰にでもできること」であることや、「自分がやるべきだと感じない仕事」であること、「同じことを効率的にやることを目的とされていること」はこれからの時代に取り残されていくであろう仕事になってしまいます。

22世紀は効率化の時代 〜工場化される世界〜

これだけ情報インフラが発展してしまった今では、更なる管理社会は免れられないでしょう。

しかし、情報技術に管理されるのではなく、自分がしたいことに時間を割くための労働コストを下げるためにIT技術は活用されるべきです。

これからの時代、もっと多くの労働が工場のような高効率化労働を強いられることとなります。

これからのキーワードは間違いなく「高効率化社会」や「高稼働率化社会」なのです。

 

その中で、高稼働率・高効率を求められない仕事があります。

それは芸術や音楽といったアーティストと呼ばれていたジャンルです。

 

今はWebの発信力もあり、誰もがアーティストやクリエイターになれる時代です。

だからこそ、今自分ができることから発信してアーティストやクリエイターになる準備をしていかないと、グローバリゼーションも相まって「誰でもできる仕事を高効率化してやる人」になってしまいます。

 

これからの働き方は、経営者・アーティスト&クリエイター・高稼働率社員の3つに別れるでしょう。

そして、高稼働率社員は誰にでも置き換わりが簡単にできるようになってしまうからこそ、賃金は下がり、経営者>アーティスト&クリエイター>高稼働率社員という層が出来上がります。

 

これからの働き方で重要なのは、必要以上の効率化を求められない仕事であり、今後はそのような働き方に価値が集中するでしょう。

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