考えて生きるということ

20代のサラリーマンが人生に悩んでいます

日本はアメリカではなく、ユーロを目指すべきだという話

昨日、マイケル・ムーア監督作品の、「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」という映画を見ました。

マイケル・ムーア監督といえば、華氏911やボーリング・フォー・コロンバインなどで知られるドキュメンタリー監督です。

今回マイケル・ムーア監督が扱ったテーマは、アメリカで蔓延する様々な欺瞞を諸外国の政治情勢と比較することで、暴いていくという作品です。

 

たとえば・・・。

 

①沢山働かないと生産性は上がらない?

イタリアには8週間も有給があり、毎日2時間も昼休みがあり、週の労働時間は36時間しかないのに、労働生産性GDP)は日本と変わらない
それはストレスなく働けるから、働いている時間の生産性が高いから。

 

②学校教育は沢山詰め込まないと意味がない?

フィンランドでは、学校教育は無料。
 全て公立の学校で成り立っており、宿題などは出されない。
 学校で学ぶ時間も少なく、芸術や音楽などに触れる科目が多く、数学などの時間は少ないのに教育の高さはNo.1
 多くの国民が母国語だけでなく、多言語を話せ、理系的知識も豊富。
 それは、子供たちが普段の遊びの中から、自然と様々なことを学んでいくから。

 

③犯罪は厳しく取り締まらないとなくならない?

ノルウェー死刑はなく、最大懲役年数は21年なのに、年間殺人発生件数が数件程度の超低犯罪率。世界一の再犯率の低さ
 それは世界一恵まれていると言われる環境の刑務所で、慈悲と支え合いの心を再学習してから出所するから。

 

④世界の表舞台には男性ばかりだけど、女性が台頭する国はダメ?

アイスランドには、完全な男女平等が実現されており、世界初の女性大統領が誕生している。男女平等になってからのほうが企業体質が向上され、国内の政治・経済も順当になり、黒字化
 それは、人間のあるべきまま、男性と女性の権限をイコールにしたから。

 

などなど・・・、驚きの実態を暴いていくという映画です。

America

映画を見るとわかる!日本の目指している先はアメリカだと!

この映画を見て驚いたのは、日本で生活をしている間に触れる情報が、ほとんどアメリカナイズされ、アメリカのような働き方・先進国化を目指していることです。

税金を上げることは悪いこととされ、その結果として公共の福祉が充実していくことに対して懸念を示すマスメディア&民衆。

累進課税の緩和・相続税などの緩和によって富裕層と労働者層の働き方・所得に大きな差が生じつつある労働現場。

これらは、全てアメリカで起きていたことを、日本でもまた起こそうとしているだけのように感じます。

 

上記①〜④のように、国を豊かにする本当の政策は、ほぼ全てユーロ圏で起きていることです。

ユーロ圏はアメリカとは違い、「福祉国家」を目指しています。

 

アメリカは低税金のため、一部の富裕層にとっては莫大な資産を稼げるという意味でアメリカンドリームという言葉もあるぐらい、個人主義の国です。

一方で、ユーロは支え合いの国ともよばれ、国によっては消費税ですら20%以上の税金がかかることは珍しくありません。

国にもよりますが所得税に関しては、もっとかかってくるでしょう。

その代わり、誰もが安心して教育を受けられ、飢えることもなく、満足した生活を贈ることに税金は使われています。

 

高税率で福祉国家を目指しているこれらの国のほうが、結果として安全で、高い教育を得られ、高生産性になった結果、余暇を楽しむことができているというのが世界の現状なのです。

実際に筆者はこれまで、イギリス・フランス・スペイン・ベルギー・オランダなどに行った事がありますが、どの国でも日本よりも豊かそうでした。(長期滞在した国もありますが、実際豊かでした。)

スペインなどは失業率が高いと言われているのに、日本より豊かそうな暮らしをしていますし、そもそも楽しそうに生きています。

 

一方で、日本は未だに消費税ですら8%。

消費税に関しては直接税なので、より慎重に増税は検討しなければならないかもしれませんが、それにしても見直しが行われていないと思われるのが所得税などの直接税。

そして何より、法人格(企業)から税金をもっと徴収しなければ、企業の利権争いを止めることはできません。

 

今後は格差の是正を促すため、さらに直接税を高税率化、そして法人税率の見直しを行い、格差の是正を促すべきでしょう。

Tax

人々が豊かになる鍵は、性善説で生きること

日本が目指す先は上記のようなユーロ圏を目標とするならば、社会保険の充実と、直接税と資本・資産に対する課税率の増税だと言えるでしょう。

しかし、世の中には行き過ぎた再分配が経済成長にはマイナスに働くという意見もあり、逆に適切な再配分は経済成長を高めるという意見もあります。

ベーシックインカムを導入する際にも同じような議論がなされます。

 

しかし、よく考えてみれば、ユーロ圏の成功事例は全て「人間には、安全に暮らせる環境と、慈愛の心を持って接することができる条件を揃えれば、自ずと学習して社会的な行動を取るようになる」という例ばかりではないでしょうか。

そもそも、人間は安全に暮らせるという社会的基盤があれば、マズローの欲求5段階説に基づいても、自己実現のために何か利他的なことや、社会的な活動を始めるものだとも言えます。

人間は怠惰なものでなく、余裕と安心を与えれば、その2点を糧にして世界をより豊かにしていくことができる力を持っているのです。

Euro!!

衣食住足りて礼節を知る

今の日本が考えるべきはこの部分で、まず全員に「衣食住足りて礼節を知る」という状態が作れているのでしょうか

また、人生を有意義なものにするだけの余暇が与えられているのでしょうか。

 

イタリア人は1日7時間しか働かないし、年間8週間もバカンスがあります。→それでも日本と同じGDP成長率です。

フィンランドの学校では詰め込み教育なんてやりません → それでも日本より学力は高いんです。

ドイツなども1日7時間しか働きません → それでも、日本よりはるかに高生産性です。

 

働きすぎなくても人々が豊かに暮らせるだけの富が、すでにこの世界にはあります。

一人ひとりが適切なだけ働けば、その結果としてQOLは上がり、医療費は下がり、税率は今のままでも社会福祉に回せる余裕ができ、生活費に困らないから子供が生まれて税率を変えずに国家が維持できる。

こんな当たり前の循環を、ユーロ圏は実現しています。

 

日本人には「村意識」という言葉がありました。

誰よりも強いと自負していた日本人としての繋がりがあったと思います。

日本人は優しく、支え合いの意識が強いと学んで育ったはずです。

しかし、今の日本ではその慈悲の心は失われ、一部の企業や投資家がその富を牛耳ろうとしています。

それはまるでアメリカのように。

本来のあるべき姿とは、お金は循環であり、自分だけでなく他人にも分け与えるものであるという思想をもう一度思い返さないといけません。

 

世界が変わっていく中で、アメリカ、そしてアメリカを追うように自由主義をひた走る日本だけがもう何十年も遅れを取っているような現状に気づかせてくれる映画でした。

日本は福祉国家を目指すべきだと考えています。