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今中古でポルシェとロレックスを買ってはいけない理由

世界中で現物投資の規模が拡大しようとしている

今回は現物投資のこの先は「何が来るのか」という事を予想する話。

 

2014年のCNNのニュースですが、今、クラシックカーの値段が高騰しています。

2017年現在でも、クラシックカーオークションでは毎年のように最高落札価格が更新されています。

COURRiER Japonという雑誌に掲載されていた情報では、過去20年を振り返り、最も投資効率が良かったものが自動車だったようです。

www.cnn.co.jp

 

2009年のリーマンショック以後、世界中の貨幣の信用度が大きく落ち、その流動性すら金融派生商品(CDSなど)で更に投機的に運用されるようになってしまいました。

つまり、お金は世界中でどんどんと増え続けているけれど、生まれている価値はそこまでどんどんと増え続けてはいないから、今価値のあるものの価格はどんどんと値上がりしています。

「現物に投資したほうが確実である。だってモノは壊れなければ、価値が保証されるから。」

という考えが世界中に浸透しているからです。

 

2014年には他にもクラシックカー以外にも、ワインなどが投資の対象となりました。

forbesjapan.com

しかし、今現在では、これらのワインファンドは多くの負債を抱え、崩壊しつつあるようです。

hbol.jp

 

一方で、クラシックカーは未だにオークションで高値をつけ続けています。

そして、クラシックカー以外にも、現在はROLEXなどを中心とした、高級腕時計においても価格の上昇が起こっているようです。

hbol.jp

例えば、ROLEXの「サブマリーナ」という時計は、ここ数年で中古の価格帯が倍程度になっているようです。(2017年刊行雑誌により)

 投資が崩壊するワイン市場とは異なり、クラシックカーや高級時計などは何が違うのでしょうか。

 

現物投資の背景にある価値とは「ステータス」である

クラシックカーも高級腕時計も、ワインも、全て富裕層が好みそうなジャンルのものですが、何が違ったのでしょうか。

それは、クラシックカーや高級腕時計は機械であり、適切に保管しておけばいつまでも楽しめる継続的な価値をもったものである、という点です。

一方で、ワインは一度栓を開けてしまえばその価値は大きく下がり、開封日から恐ろしいほどの速さでほぼゼロになってしまいます。

Wine

投資の対象が値上がりする背景には需要と供給のアンバランスにあります。

欲しいと思っている人は沢山いるのに、市場に出回っている数が少ないものの価値は上がります。

一方で、永続的に生産され続ける物の価値は、その生産数と共に需要を満たしていくため、価格は適切なところにまで下がっていきます。

 

ワインは、豊作だった当たり年のブドウを樽に入れて、良い状態で寝かせることによって味が変化し、それが価値につながっています。

一方で、生産者は毎年良いものを沢山作ろうと努力をするため、1年目よりも2年目の方が高品質で、なおかつ大量に生産できるようになります。

つまり、年々”当たり年”は増え続ける傾向にあり、生産者の努力によって更に良いものが大量に作られるようになると、価値の基準は「何年寝かせたか」という時間にしかなくなります。

そして、この時間による価値付けは、時間が経つにつれて後発で生産された高品質大量生産品でも同様の味を表現できるようになってしまうため、高年式のワインでも価格の下落が起こるのです。

 

Car

一方で、車や時計などの機械製品はこれらとは異なります。

まず、「何を持っているのか」という点において、この2点は(少なくとも男性においては)大きなステータスとなります。

そして、ワインのように栓を開けたから価値が劣化するということは、基本的にはありません。

メンテナンスをすれば、価値の復元ができるという事が大きなアドバンテージになります。

 

また、自動車などにおいては、各国の道路交通法や衝突安全基準、環境保護規制の観点から、昔のような芸術的な車は二度と作ることができません。

作りたいと思っていても、法規上それが許されていないのです。

つまり、後発の製品(現行品)にも引けを取らない魅力を持っているレトロカーの価値継続につながっています。

今あるクラシックカーは、現行作られている自動車とは求められている性質が違うから、購入時にライバルになりえません。

つまり、今後いくら優秀な自動車が生産されようと、あのときのデザインと、魅力的なエンジンが失われていなければ、ブランド力も価値も失われないのが魅力なのです。

 

Rolex GMT-Master II 116710

しかし、自動車と同じ機械製品でも、時計は異なります。

時計は毎年、定番モデルは作られ続けていますし、そのデザインにおいて大きな変化はありません。

どれだけクラシックモデルが値上がりをしても、「ロレックスが欲しい」と思っている需要層には「そんなに高いのならば似ている新品の同じ品で良い」となってしまうのです。

つまり、投資対象となった中古品の価格上昇幅は、現在生産されている新品の価格より、何十倍も乖離した値で推移し続けることは考えにくいのです。

その点から、現在のロレックス市場の価格高騰は、10年ほど前の比較的新しい中古品ですら新品より高い価格が着いていることもあり、いきすぎた節があると考えています。

Rolex Submariner 5512

 

今後の投資対象を考える

今後の現物投資を考えてみましょう。

これまで述べた現物投資の価値安定の条件を幾つか列挙します。

 

①所有 or 使用がステータスになる。

②生産物(供給)が需要に対して少ない。

③定期的なメンテナンス等により、価値が保存される。

④現行の生産品では代替が効かない。

 

【自然物】

・金

・ダイヤモンド

これらの人工物は「美しさ」を価値として、これまで何千年にも渡って、価値が認められてきました。

地球上に存在する金やダイヤモンドには限界が存在するため、ガラス玉まどのまがい物では代替が効かず、価値が保存され続けています。

 

【人工物】

・楽器

ストラディバリウスなどの楽器は優秀な生産者が亡くなってしまうと、後に生産される大量生産品ではその質を満たすものが作れなくなってしまいます。

また、当時は使えたような優良な木材が法規制や、原材料の枯渇などにより使用できなくなるため、古い製品の方が価値があがる傾向にあります。

Violin -- closeup

 

・美術品全般

絵画などを中心とした美術品も、生産者が亡くなると、その後生産されるものでは需要を満たせないという問題が生じるため、現状存在している物の価値があがります。

Art supplies

 

・カメラ(フィルムカメラ

現在では生産されなくなったフィルムカメラも価値があがるでしょう。

現在大量生産されているデジタルカメラでは、フィルムカメラのような味を表現することはできないため、現行品では代替がききません。

また、定期的なメンテナンスで価値が保存されることからも、条件を満たすでしょう。

ROLLEIFLEX

 

値上がりした理由をよく考えてから購入すること

話をタイトルに戻します。

現在、クラシックカーでなくても、ポルシェなどの高級スポーツカーの価格は5年前と比較して、急激に上昇しています。

また、ロレックスの中古も同じです。

しかし、よく価格上昇の原理を考えると、「これって崩壊するんじゃない?」というものが沢山あるのです。

 

ポルシェなどは、1996年までは少量生産でしたが、1996年からは大量生産方式に切り替わっており、十分に生産数が増えました。(996型以降)

しかし、生産数が増えた以後のモデルでも、現在は値上がりしているのです。

車に詳しい人からすると、現在のポルシェの価格上昇は、少々いきすぎたところがあると考えています。

 

ポルシェの価格上昇は、「これまでのクラシックポルシェの価格上昇と同じ効果が、今後のポルシェでも起きるだろうから今のうちに買っておこう」というものですが、おそらくその通りにはならないでしょう。

 

なぜなら、大量生産方式に切り替わった以後のモデルは、最新のポルシェに負けてしまうからです。

本当にこの世で価値があるものとは、少ない生産数でも後発の生産品に負けないような「志があって、味のある製品」だからです。

投資とはそのような製品を見つけて、価値を掘り起こすこと。

改めてそようなものを探すと、「あまりないなぁ」ということに気付かされました。

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