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「もらとりあむタマ子」に見る日本の様式美

映画「もらとりあむタマ子」を不本意ながら見た

本日、ひょんなことから「もらとりあむタマ子」という作品を見た。

制作年:2013

監督:山下敦弘 主演:前田敦子

 

いや、正確にはAmazon Prime Videoをザッピングしていたら、面白そうで、それっぽい作品が「もらとりあむタマ子」だっただけだった。

www.bitters.co.jp

トーリーは恐ろしく内容が薄い。

タマ子という大卒23歳女子が、東京から逃げて、地元の山梨件甲府市に戻ってきて、実家の父親と2人暮らしを始める。

タマ子は父親のもとで、帰省寄生しながらニートを満喫しつつも、離婚した父に再婚の迫ったりする中で、小さな一歩を踏み出すという話だった。

 

物語はタマ子の住む町内から出ることはない。

まして、シーンの半分近くは自宅でのタマ子の様子である。

出て来るキャストは、多く見積もっても15人。

本当にタマ子という一個人が、周りから見れば気にもとめられないほど小さな一歩を踏み出すというだけだった。

 

人間の成長や小さな一歩という事が物語の主軸な上で、ヨーロッパやアメリカが映画を作ったらどうなるだろうか。

ヨーロッパ映画だと、主人公はバイク1台で旅に出て、沢山の人に会うだろうし、ハリウッド映画なら怪獣が出現して、あわよくば米軍が秘密裏に開発した新型決戦兵器なんかに乗っちゃうわけだ。

狭い!実に日本の映画のスケール感は狭い!

布団

もらとりあむタマ子」だけじゃない、邦画の四畳半世界

日本の世界的に評価されている映画は、特に世界観が狭い。

人間の悩みにフォーカスをするあまり、その世界観が恐ろしい程に狭くなって、「街を飛び出すことによる新しい刺激」などを求める余地はなくなる。

観客はその小さな世界で大きな変化やストーリー性を求める。

小さな世界で大きな変化が起きるためには、それ相応に「居るだけでヤバイ人」が必要になるため、日本の映画の主人公の周りには本当にヤバい人ばかりが多いのではないか。

 

余談だが、ヤバイ人を想像する能力は世界一である。

なぜなら、日本の変態さは世界で一番であり、"HENTAI"という言葉は国際的用語になっているからだ。

変態は今や”HENTAI”と称されているし、異常な性癖性や、異常な精神性における先進性は、”TSUNAMI(津波)”と称される大震災のソレと同じ程度に世界中に知れ渡っている。

 

例えば岩井俊二監督作品であっても。

花とアリス

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 庵野秀明監督の実写作品であっても。

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 日本人の世界は、いつまでも半径3mの中に収まる。

だから、その3mの中で恐ろしいほどの変化や、刺激を産み出すためには、それはもう理論的ではない、ぶっ飛んだ存在や発想が必要なわけで、それが世界中のコアなファンに受けている。

 

個人的には、ヤバい人が出るNo.1映画としては、「黒い家」をオススメする。

(ちなみに、黒い家も物語の範囲は狭く、四畳半系映画と言える) 

黒い家 [DVD]

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邦画が閉じこもるわけを考える

邦画がここまでことごとく町内から飛び出さず、閉じこもる訳を考えた。

主人公はたびには出ないし、辛いと思った時、逃げ出そうとはせずに引きこもる。

もはやこの行動の特異性は文化に寄るものとしか言い難い。

 

ヨーロッパにおいても同様の傾向があるが、アメリカ映画に関しては日本と真逆だ。

例えば、日本が恋愛映画を作るとこうなる。

「ウジウジした男の子が女の子に告白するけれど、イマイチ上手くいかないが、何だかんだ不器用ながら頑張るが、最後にはフラれる。ただ、最後のシーンで主人公は”これで良いのだ”的に笑う。」 みたいな。

 

一方で、アメリカなんかが恋愛映画を作るとこうなる。

ウジウジした男の子が女の子に告白しようとするが告白すらできず、ライバルのイケメン男子に負けないぐらい仕事を頑張ったり、何かに熱を入れて彼女を振り向かせてハッピーエンドになる。」 みたいな。

 

落とし所が、日本の場合は「主人公本人が良しとしているか」どうかであって、ハリウッド系映画の場合は「どれだけ主人公が当初の夢を叶えたか」ということがオチにつながる。

日本の社会の中では、「他人が自分をどう思っているのか」ということにフォーカスしすぎるあまり、映画の中での落とし所が「自分がそれまでの出来事に納得するまでのプロセス」として作品が描かれる。

そりゃ、日本映画の世界・・・特に人情系やドラマ作品は村社会的な部分を描くわな。

という話でした。

Movie theater

 

ちなみに、「もらとりあむタマ子」は本当に何も起こらない作品なので、万人にはオススメしません。

個人的には2点/100点ぐらいですが、嫌いではないです。